【6月20日 AFP】メキシコ議会上院は19日、新たな北米貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の批准を承認した。最近の米国との緊張にもかかわらず、3か国で初の批准承認国となった。

 メキシコ議会上院はUSMCAの批准を賛成114票、反対4票で承認。経済省の言葉を借りると、「開放経済とこの地域における経済統合の深化を支持するという明確なメッセージ」の表明となった。

 3か国は昨年11月30日、USMCAに署名。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)を「史上最悪の貿易協定」と批判し、置き換えを主張したことを受けて、1年間に及ぶ困難な交渉の末、署名にこぎつけた。

 USMCAはNAFTAに酷似しているが、極めて重要な自動車分野で、米国製部品の調達率引き上げや、メキシコ人労働者の賃上げなどを目的とする新規則を規定している。

 米国では、野党民主党がUSMCAの労働者保護や紛争解決制度などに対する批判を繰り広げており、批准手続きは難航している。しかし、ロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)米通商代表は18日、「今後2、3週間」のうちに批准に向けた進展があると確信していると語った。

 カナダのUSMCA批准は確実とみられているが、同国政府は米国の批准を待つ構えだ。(c)AFP/Yemeli ORTEGA