【6月15日 CNS】中国最大のネット配車サービス「滴滴出行(Didi Chuxing)」は、乗客が忘れ物を探す際のプロセスと仕組みを改善することを目的とした「ネット配車遺失物管理規定(試行版)」を発表した。

 この規定は、「滴滴」が提供する「快車(DiDi Express)」「専車(DiDi Premier)」と「豪華車(DiDi Luxe)」の3種のサービスに適用され、「滴滴」の顧客対応窓口は、落とし主の身分確認後、サービスを提供するとしている。

 運転手と乗客とカスタマーサービスの3者間通話や、落とし主と同じ車両に乗車した複数の顧客と連絡を取ることなどもサービスに含まれる。

 遺失物の価値による対応については、遺失物の価値が2000元(約3万1270円)を超える場合は貴重品扱いとし、乗客は速やかに警察に届け出なければならない。警察で受理した後、プラットフォーム側は警察の調査に協力するとしている。

 運転手が忘れ物を返還する場合、乗客は合理的な費用を支払うこととしている。

「滴滴」によると、2016年ごろから「滴滴」の顧客対応窓口が受ける「落とし物探し」の件数が激増。同年12月には遺失物専門チームを立ち上げ、忘れ物探しのサービスを開始した。この3年間で、乗客の遺失物回収率は、38%から68%に向上している。

 ただ、残念なことに、いまだ多くの忘れ物が見つかっていない。「滴滴」によると、遺失物専門チームが2019年1〜3月に回収した落とし物は41万9663件で、1件当たり電話を6回かけた計算だ。このうち、31.2%の落とし物は見つかっていない。

 顧客数が多く車両の移動速度が速いことなどが、忘れ物が見つかりにくくなる主な原因となっている。また、顧客対応窓口が乗客と運転手の間を取り持つ際には、往々にして責任のなすり合いとなり、返還のコスト負担でもめることなども、積極的な忘れ物探しを妨げているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News