【5月8日 CNS】中国のモバイル配車サービス最大手「滴滴出行」(Didi Chuxing)は、同社が日本でソフトバンク(Softbank)と合弁で設立した「DiDiモビリティジャパン(DiDi Mobility Japan)」が東京と京都でタクシー配車サービスを開始したと発表した。これにより、滴滴出行の配車サービスは日本の中心的な都市である東京、京都、大阪で、そこに住む5000万人超を網羅したことになり、ビジネス体制をさらに一歩前進させた。

 DiDiモビリティジャパンの菅野圭吾(Keigo Sugano)取締役は、「滴滴出行の先進的な配車システムは、運転手の賃走率と収入を向上させ、タクシー会社から高い評価を受けている」と話す。

 同社大阪地区での提携タクシー会社は、2019年3月現在で約40社あり、営業開始当初から3倍に増えた。大阪地区の月度営業実績は平均で60%伸びており、配車アプリで顧客満足度トップのアプリとなっている。

 サービスは東京、京都、大阪のほとんどのビジネス街や観光地をカバーする。同社の林励(Lin Li)副社長は、「タクシー会社向けにデジタル配車技術を導入するだけでなく、日本市場のユーザーのニーズと消費習慣を継続的に把握し、インターネット配車分野でより良いエコシステム(事業生態系)を確立していく」と抱負を語る。

 DiDiモビリティジャパンは、中国と日本にまたがるサービスも始めている。中国大陸と香港の滴滴ユーザーは、日本でアプリを開くとタクシーを呼ぶことができる。アプリ内で中国語と日本語の相互翻訳に対応しており、中国語の顧客サービス窓口も開設されている。支付宝(アリペイ、Alipay)と微信支付(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)での支払いも可能だ。

 滴滴は、日本以外でも、南米やオーストラリアなどの海外市場でインターネットを使った配車予約のサービスを展開している。ブラジルやメキシコなどでは、現地の公共部門と共同でスマート交通システムの実験を進めており、中国の先進的なスマート交通技術をより多くの市場に広めていこうとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News