【6月14日 AFP】(更新)イランを訪問中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相は13日、同国の最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師と会談した。米・イランの緊張緩和という日本として異例の外交目的を掲げイランを訪れた安倍氏だが、ハメネイ師は会談後、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との対話を拒否する姿勢を明確にした。

 安倍氏は会談後、記者団に対し「トランプ氏がどのような意図を持っているのか、私の見方として、ハメネイ師に率直に」話をしたと述べ、トランプ氏とこれまでに何度か意見交換を行っていることを強調した。日本の首相が同国を訪問したのは1979年のイラン革命以来初めて。

 ハメネイ師の公式ウェブサイトによると、同師は会談後、イランは「米国に対する信頼はなく、以前の米国との協議における苦い経験を繰り返すつもりは全くない」と言明した。

 ハメネイ氏は安倍氏との会談の席で、「われわれはあなたの善意と真剣さを疑ってはいないが、米国大統領があなたに伝えたことについて、私はトランプ氏が意見を交換するに値する人物とは考えていない」と述べた。

 安倍氏のイラン訪問中には中東のオマーン湾(Gulf of Oman)で日本の海運会社が運航するタンカー1隻を含むタンカー2隻が攻撃を受ける事件が発生。同湾での緊張が再び高まっている。

 イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はツイッター(Twitter)で、日本に関係のあるタンカーに攻撃があったとされる事態が「安倍晋三首相とハメネイ師が、広範にわたる友好的な会談を行っている最中に発生」したと指摘。13日朝に起こったことは「疑わしい」という状態をはるかに超えているとの見解を示した。(c)AFP/Amir HAVASI