【6月12日 Xinhua News】中国国家発展改革委員会などの3部・委員会はこのほど、積極的に5G(第5世代移動通信システム)スマートフォン(スマホ)の商業化を促し、その研究開発・販売を奨励する姿勢を打ち出した。華為技術(ファーウェイ、Huawei)、OPPO、vivo、小米(シャオミ、Xiaomi)など中国勢は万全を期し、国内での発売も間近という。業界関係者は、発売からしばらくは産業チェーンが未成熟で、5Gスマホは高価格になるものの、2020年下半期には、5Gスマホの市場拡大により価格は下がり、中国では5Gスマホの買い替えブームが起こるとの見通しを示した。

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 一、端末メーカー、準備万端

 華為技術の端末ラインアップの担当責任者何剛(He Gang)氏は同社の折り畳み5Gスマホ「Mate X」で5Gネットワークを試験的に利用し、実測1Gbps超のダウンロード速度を体験した。

 スマホメーカーのOPPOは、5Gの商業化に向けた準備は整っており、中国で第一陣となる5G商業用スマホの発売に自信を示した。OPPOは通信キャリアなど、産業チェーンにおける協力パートナーと密接な関係を築き、5Gの活用を模索中で、ユーザーによりよい5G体験の提供を目指している。

 中興通訊(ZTE)は、中国通信キャリアの5Gネットワーク・パイロットプロジェクトに加わった5G対応機種「Axon 10 Pro 5G」を2019年上半期に、中国、ドイツ、フィンランドなどで発表予定で、7月に発売するという。

 スマホメーカーのvivoは、初の5Gスマホが関連実験室におけるネットワークの接続テスト中で、テストの終了を待って、発売するという。中国市場で発売される5G商業用スマホの第1陣に加わる見通しだ。

 小米は国内における5Gの商用化に万端を期している。小米のスマホ「MIX 3 5G」はすでに国内でたびたび公開されており、中国の通信キャリア大手3社の中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)、中国聯通(チャイナユニコム、China Unicom)、中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)と5G関連サービスを共同展示中だ。

 国金証券は、中国のスマホメーカーは5Gスマホの準備万端で、5Gネットワークの整備に従い、5G端末の発売も加速するとみている。

 二、買い替えブームはいつ?

 IT専門調査会社IDCは2019年の5Gスマホの出荷台数について、世界全体の0.5%未満にあたる670万台と予測する。

 国元証券は2019年3月、スマホ出荷台数の減少傾向は同年に緩和するが、しばらくは5Gスマホの販売は拡大が見込めないとのレポートを発表した。端末メーカーが次々と5Gスマホを発表する中、発売当初は産業チェーンが未成熟で、5Gスマホは高価なため、消費者には受け入れにくい状況という。

 第一手機研究院の孫燕飈(Sun Yanbiao)院長は、中国勢の5G商業用スマホは、今年9月以降に大量に出回るが、コストが高いため、販売価格は約5000元(1元=約16円)になると予測する。サプライチェーンの生産能力拡大により、2020年下半期には、5Gスマホの価格は2500元前後まで落ち込む見込みという。

 市場調査会社カウンターポイントの研究責任者、閆占孟(Yan Zhanmeng)氏は「2020年下半期、中国国内で5Gスマホの買い替えブームが起こる」と判断。今年、5Gスマホが高価なのは、産業チェーンが未成熟なためで、5Gスマホ用チップのコストダウンや、その他のデバイス技術の成熟に伴い、2020年下半期には、5Gスマホの販売が拡大し、年末には、販売価格が2000~3000元まで落ち込むとみている。(c)Xinhua News/AFPBB News