■「楽しめなくなっていた」

「あまり楽しめなくなっていたし、健康のことを気にしていた。BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2019)の後は精神的にも肉体的にも落ち込んでいた」

「かなりネガティブになっていた。マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2019)とバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2019)の後は、何をすべきか考えていた。しばらく休養を取ってリハビリや気分転換をしようとね」

「これまで経験してきたことが、プレーに対する情熱をさらに大きくしていると思う。永遠にここにいられるわけではないと分かっているから」「だから、とにかくポジティブな姿勢で集中し、自分の仕事に情熱を傾けていけるように努力している」

 ナダルが次に目指すのは、2008年と2010年の2度にわたって王者となったウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)だ。しかし、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)は、これまで苦い経験を味わってきた場所でもある。

 ウィンブルドンでは2012年から15年の4年連続で、当時いずれも世界100位以下だったルカシュ・ロソル(Lukas Rosol、チェコ)、スティーブ・ダルシ(Steve Darcis、ベルギー)、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)、ダスティン・ブラウン(Dustin Brown、ドイツ)に敗れている。

 さらにギル・ミュラー(Gilles Muller、ルクセンブルク)と対戦した2017年の4回戦では、最終セットを13-15で落として敗戦。そして、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)と大激戦を繰り広げた昨年の準決勝では、最終セットを8-10で競り負けた。

 ナダルは、「昨年は自分にとって最高の大会だった。もう一度タイトル獲得に近づけるような戦いができていた。みんな知っての通り、自分はグラス(芝)でプレーするのが大好きだ」と話すと、ウィンブルドンの前哨戦には出場しない意向であると付け加えた。(c)AFP/Dave JAMES