【6月8日 AFP】18-19NBAファイナル(7回戦制)は7日、カリフォルニア州オークランド(Oakland)で第4戦が行われ、トロント・ラプターズ(Toronto Raptors)が105-92で昨季王者のゴールデンステイト・ウォリアーズ(Golden State Warriors)に勝利し、初のタイトル獲得に王手をかけた。

 ラプターズはカウィ・レナード(Kawhi Leonard)が36得点でチームをけん引し、パスカル・シアカム(Pascal Siakam)が19得点を挙げると、ベンチスタートのセルジ・イバカ(Serge Ibaka)が20得点でチームの勝利に貢献した。これでシリーズ戦績を3勝1敗に伸ばし、本拠地のカナダ・トロントで迎える第5戦で勝負に決着をつける可能性が出てきた。

 ラプターズがあと1勝すれば創設24年で初優勝となるのに対し、ウォリアーズがシリーズを制すれば3季連続にしてここ5シーズンで4度目のタイトル獲得となる。過去にNBAファイナルで1勝3敗の劣勢に立たされた計34チームのうち、タイトルを勝ち取ったのは、2016年にウォリアーズを下したレブロン・ジェームズ(LeBron James)を擁するクリーブランド・キャバリアーズ(Cleveland Cavaliers)だけとなっている。

 この試合で12リバウンドも記録したレナードは、「とにかく辛抱し、試合に集中してディフェンスやシュートを打つことに備えた」「勝っている限り、自分は満足だ」とコメント。ラプターズは第3クオーターだけでレナードが17得点を挙げるなどして主導権を握ると、後半に勢いを増したイバカとシアカムの活躍でウォリアーズの追随を許さなかった。

 ウォリアーズは左ハムストリングを痛めて第3戦を欠場したクレイ・トンプソン(Klay Thompson)に加え、胸部の打撲でシーズン絶望と宣告されていたリザーブのケヴォン・ルーニー(Kevon Looney)が復帰した。

 しかし、プレーオフの得点源だったケビン・デュラント(Kevin Durant)は右ふくらはぎのけがで1か月近く戦列を離れたままで、機動力に優れたラプターズに対抗することはできなかった。

 今プレーオフで1試合平均19.5得点をマークしていたトンプソンは、第2クオーターに4本のシュートを沈め、前半を終えてチームに46-42のリードをもたらした。

 第3クオーターに入ると、レナードが2本連続で3ポイントシュートを決めてラプターズが48-46と逆転し、この試合で初めてリードを奪取。終盤には20得点を挙げる中で失点を6に抑え、79-67とリードしてこのクオーターを終えた。

 ラプターズは第4クオーター開始直後にフレッド・バンブリート(Fred VanVleet)が3ポイントシュートを決めたが、その後ゴール下でショーン・リビングストン(Shaun Livingston)の左肘が顔に当たって右目の下から流血し、ロッカールームに運ばれて7針を縫うけがに見舞われた。

 ウォリアーズは試合時間残り2分56秒で、ステフェン・カリー(Stephen Curry)が3ポイントシュートを決めて89-97と迫ったものの、それ以上点差を詰めることはできなかった。

 ウォリアーズは来季からサンフランシスコの新アリーナに移転するため、1971年から本拠地として使用している開場53年のオラクル・アリーナ(Oracle Arena)でプレーするのは、これが最後の可能性がある。(c)AFP/Jim SLATER