【6月2日 AFP】ボクシング、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチが1日、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(Madison Square Garden)で行われ、アンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)は7回TKOで挑戦者のアンディ・ルイス・ジュニア(Andy Ruiz Jr、米国)に敗戦。3団体のベルトを手に派手な米国上陸を果たすというもくろみは崩れ去った。

 一方、下馬評では圧倒的に不利だったルイスは、ジョシュアから四度のKOを奪って大金星を挙げ、3団体の王座を獲得した。

 268ポンドに増量して丸々とした挑戦者ルイスに対して、身長とリーチで大きく優位に立っていたジョシュアは引き締まった体つきをしていた。

 ところがルイスは3回にダウンを喫したものの、同じ回にジョシュアから逆に二度のダウンを奪い返すと、7回にも再度ダウンを奪取。そしてジョシュアがこの日四度目のダウンを喫すると、レフェリーが7回1分26秒で試合終了を宣言した。

 このところ4連勝中のルイスが大胆かつ冷静に見えたのに対し、22戦無敗だったジョシュアは3回の一度目のダウンのダメージが最後まで尾を引いている様子だった。

 米サンディエゴ(San Diego)近郊の生まれながら、自身をメキシコ人だとみなすルイスは、これでメキシコ人系ボクサー初のヘビー級王者に輝いた。

 伏兵ルイスの勝利に対しては、ジェームス・ダグラス(James Douglas)氏がマイク・タイソン(Mike Tyson)氏を破った1990年の試合、あるいはレオン・スピンクス(Leon Spinks)氏が15回判定でモハメド・アリ(Muhammad Ali)氏に勝利した1978年の試合に並ぶヘビー級史上最大級の番狂わせだという称賛の声が出始めている。

 一方、ルイス戦の先にWBC王者デオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)との4団体統一戦を見据えていたジョシュアは、キャリアに大きな痛手を負うことになった。両者にタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)を加えた3人はヘビー級の復権を目指しているが、ファンにとっては残念なことに、3人がリングで相まみえる機会は当面なくなった。

 ジョシュアの敗戦にいち早く反応したワイルダーは、ツイッター(Twitter)で「あいつは真のチャンピオンじゃなかったってことだ。あいつのキャリアはうそと矛盾、プレゼントまみれだった。あいつが誰から逃げてたのか、これで分かっただろ!!!」と書き込んだ。

 フューリーはそこまで辛らつではなく、「俺たちは皆行ったり来たり。しかしジョシュアは人生を通じて評価を覆してきた選手だ。ヘビー級ではこういうこともある。まずは体を休めて、それから立ち直り、また戻ってくればいい」とつぶやいている。(c)AFP