【5月19日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級タイトルマッチが18日、米ニューヨークのバークレイズ・センター(Barclays Center)で行われ、無敗の王者デオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)が1回KOでドミニク・ブリーズエール(Dominic Breazeale、米国)を下し、タイトルを防衛した。

【特集】写真で振り返る海外ボクサーのビフォーアフター

 ヘビー級史上有数の破壊力を持つと言われる右を武器に、KOアーティストの異名を取るワイルダーは、開幕のゴングと同時にブリーズエールへ襲いかかって右ストレートを浴びせると、最後は残り43秒、左ジャブからの必殺の右で相手をキャンバスに沈め、決着をつけた。

 ほとんどパンチを当てられなかったブリーズエールは防御もがら空きで、まっすぐ吸い込まれるようにワイルダーのパンチをあごに食らってあおむけにダウン。カウント10で立ち上がったが、レフェリーは試合終了を宣言した。非常に集中していたワイルダーは、パンチの速度、威力、体調のすべてで相手を上回り、またしても一方的な勝利を収めた。

 ワイルダーは「1発目の右をヒットさせた瞬間、やつのボディーランゲージが変わった」「リングでたくさんの連中と対戦していると、相手の体の声が聞こえるようになるんだ。動きが鈍り、隙ができるのが分かった」とコメントした。

 33歳のワイルダーは、これで戦績を41勝(40KO)1分に伸ばし、下馬評では圧倒的に有利な中でしっかり9回目の防衛に成功した。これはジョー・フレージャー(Joe Frazier、米国)氏やマイク・タイソン(Mike Tyson、米国)氏、レノックス・ルイス(Lennox Lewis、英国)氏というヘビー級のレジェンドに並ぶ記録。全階級を通じた最長記録は、ジョー・ルイス(Joe Louis、米国)氏の25回となっている。

 対するブリーズエールは、これまで黒星はアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)に敗れた1回しかなかったが、これで戦績は20勝(18KO)2敗に下降した。(c)AFP