【5月29日 AFP】イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)を率いるマウリツィオ・サッリ(Maurizio Sarri)監督が28日、アーセナル(Arsenal)とのヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)決勝を翌日に控えた練習中に怒りだし、ピッチを後にするという一幕があった。

 問題の出来事は、決勝の舞台であるバクー・オリンピックスタジアム(Baku Olympic Stadium)で行われた練習の最中、ゴンサロ・イグアイン(Gonzalo Higuain)とダビド・ルイス(David Luiz)がいさかいを起こした後に起こった。サッリ監督はクラブのロゴ入りキャップを投げ捨て、蹴り上げると、それを拾って再び腹立たしそうに地面へたたきつけてから、その場を後にした。

 この日は練習がメディアに対してすべて公開されていたため、一部始終がテレビのカメラに収められており、決勝へ向けたチームの状態へ不安を抱かせた。

 練習に先立って行われた記者会見で、監督は所属選手とイングランドサッカーへの「愛」を語り、わずか1年での退任が避けられない可能性をにおわせている。ロンドンで難しい1年を過ごしたサッリ監督については、マッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督の退任が発表され、指揮官の座が空席となっているイタリア王者ユベントス(Juventus)行きが濃厚との報道が出ており、チェルシーも引き止めないだろうといわれている。

 セリエA復帰のうわさについて、会見で質問を振られたサッリ監督は、「今は決勝のことだけを考えたい。チェルシーと契約が2年残っているから、まずはそちらと話をするが、今はその時期ではない」と話し、ヨーロッパリーグを制覇して自身初のビッグタイトルを獲得することで、「とても良いシーズン」を「素晴らしい」ものに高めたいと語るにとどまった。

 主将のセサル・アスピリクエタ(Cesar Azpilicueta)は「今季は浮き沈みが激しかったが、苦しい時期を糧にして強くなり、いっそう強固な集団を築けた。それが今夜ここにいる理由だ」と話している。

「僕としては、全員があした良い試合をし、気持ちを込めてプレーし、全力を尽くせる状態にあると思っている」「フットボールリーグカップ(England Football League Cup 2018-19)では運にも恵まれず、決勝のPK戦で敗れてタイトルを逃したから、明日は監督と一緒にみんなで喜ぶチャンスだ。うわさにかかずらっている場合じゃない」 (c)AFP/Andy SCOTT