【5月29日 AFP】マレーシアは28日、輸入されたプラスチックごみ数百トンを輸出国に送り返す方針を示した。マレーシアは世界のごみ捨て場となることを望んでいないと主張した。

 世界自然保護基金(WWF)によると、プラスチックは毎年3億トン生産されているが、その多くがごみになったり海を汚染したりして国際問題となっている。

 中国はこれまで大量のごみを引き受け再利用していたが、昨年、自国の環境改善を目指しごみの輸入を停止。現在は東南アジア諸国がその穴埋めをしているが、ごみを過剰に引き受けていると主張している。

 マレーシアのヨー・ビーイン(Yeo Bee Yin)エネルギー・科学・技術・環境・気候変動相は、「わが国にごみを輸送しないよう先進諸国に強く求める」と述べ、ごみの輸送は「不公平かつ非文明的」だと非難。ごみの積み込まれた複数のコンテナを視察した後、「容赦なく輸出国に送り返す」と発表した。

 政府統計によると、マレーシアが昨年輸入したプラスチックは87万トンで、2016年以降3倍になった。ごみの大量流入に伴いリサイクル施設は急増しているが、その多くが無許可での操業で環境基準も軽視されている。ヨー氏によると、これまでに違法リサイクル施設150か所が閉鎖された。

 ヨー氏は「マレーシアは世界のごみ捨て場にはならない」「わが国が先進国に虐げられることはない」と明言した。

 プラごみ450トンが積み込まれたコンテナ10個は、オーストラリア、バングラデシュ、カナダ、中国、日本、サウジアラビア、米国に返送されるという。(c)AFP