中国人がコーヒーを知るようになったきっかけは、ネスレ(Nestle)やマックスウェル(Maxwell House)などのインスタントコーヒーだ。99年にスターバックスが中国に進入し、家庭でもなく職場でもない「第3の空間」のコンセプトを打ち出し、人々の社交場所として受け入れられるまでには時間はかからなかった。

 ある専門家の分析によると、90年代の後半に生まれた若者は、ある意味スタバを見て育った世代であり、彼らにとっては、コーヒーを飲むことはただ社交のためだけではなく、毎日必要なカフェインを摂取することであり、飲まないとつらい、と感じるという。

 あるデータによると、中国人1人当たりのコーヒーの年間消費量は3.7杯で、欧州や日韓などのレベルに比べはるかに少ない。しかし、13年から17年までの間に、中国のコーヒーの市場規模は倍に膨れ上がり、年間総合成長率は18%に達し、20年には市場規模は75億ドル(約8273億円)に達すると見込まれている。

 ラッキンコーヒーの発展モデルは、投資家が出資した資金を使い爆発的に店舗を増やし、大量の広告宣伝の力を借り、クーポン営業や友達紹介などの方法で顧客を引き寄せるものだ。目論見書によると、18年の同社の販売費用は7億4600万元(約119億円)で、19年第1四半期の販売費用は1億6800万元(約27億円)で材料費に次ぎ2番目に大きな費用だ。また、設立以来の累計損失は22億2700万元(約355億円)となっている。

 ラッキンコーヒーの今後について、ビジネスに対する敬虔(けいけん)な心に欠けた危険なゲームだ、と悲観的な評価を下す人がいる。また、味が良くないから、クーポンが無ければ買わない、という顧客もいる。(c)東方新報/AFPBB News