【5月24日 東方新報】中国・大手検索サイトの百度(Baidu)はこのほど、今年第1四半期の決算を発表した。報告によると、第1四半期の売上は前年同期比15%増の241億元(約3835億円)だったものの、3億2700万元(約52億円)の純損失を計上し、2005年の上場以来、初の赤字決算となった。

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 決算報告の際に特に注目されたのは、同社に14年間勤務し、実質「ナンバー2」だった向海竜(Xiang Hailong)上級副総裁の離職が発表されたことだ。この人事の背後には、これまで百度のコア事業だった「検索」から「情報フロー」業務への転換がある。「投資を成長に変える」という戦略の下、百度は現在の困難から抜け出すことができるのだろうか。

 向氏の後任として、沈抖(Shen Dou)氏が高級副総裁に就任する。向氏が総裁を務めていた検索会社も沈氏の指揮の下、モバイル事業へと転換する予定だ。

 向氏の退任と沈氏の就任から、インターネット技術の変遷による「新旧交替」を垣間見ることができる。向氏が代表していた検索事業は、モバイルインターネット時代下において再び主流になることはなく、沈氏が主導する情報フロー事業は今まさにITという舞台の中央に向かっている。今日頭条(Jinri Toutiao)や動画アプリの抖音 (ティックトック、TikTok)、快手(Kuaishou)の台頭は、配信アルゴリズムがインターネット広告市場の新局面を主導していることを物語っている。

 沈氏は、米マイクロソフト(Microsoft)でプロジェクトマネージャーなど務めた経歴の持ち主。百度に入社後、百度連盟研究開発部の技術副総監やウェブサーチ部技術総監、金融サービス事業グループの執行総監などを歴任し、17年の副社長就任時は、百度アプリや動画、専用ブラウザ、ナビゲーションサイトなどモバイルに関連した業務に全面的に携わっている。

■難局を打開できるか

 李彦宏(Robin Li)董事長兼CEOは、社内文書の中で、「百度は現在厳しい局面に直面している。私たちは『投資を成長に変える』戦略を実行し、運営能力と創造能力を向上させなくてはならない」と求めている。

 自動運転車のプラットフォームである「アポロ(Apollo)」などのAI技術も商業化の段階に入っているが、同社の収益構造において依然として主な収入源となっているのは、広告収入だ。現在、インターネットマーケティングの収入は全収入の約80%を占めているが、百度はもうしばらくの間は広告収入に頼る必要がある。

 しかし、インターネット広告市場の中では、今日頭条や騰訊(テンセント、Tencent)など百度の競争相手は多く、しかも景気低迷の中で広告主の広告への投資は慎重だ。多くのIT企業が広告収入の業績予測を下方修正していることから、百度の広告業務も短期的に復調の兆しを見せるのは難しい。(c)東方新報/AFPBB News