【9月4日 東方新報】中国のインターネット大手の2018年第2四半期の決算は、やや物足りない内容だった。中国のネット人口が安定に向かい、新たな顧客の獲得が難しくなっているからだろう。急成長が望めなくなり、ネット企業はリアル経済との融合による長期的な成長に積極的に乗り出している。

 百度(Baidu)の第2四半期の純利益は、前年同期比45%増の64億元(約1000億円)。前四半期(同277%増の67億元、約1100億円)に比べると、成長が鈍化した。騰訊(テンセント、Tencent)の第2四半期の純利益は同2%減の178億6700万元(約3000億円)。

 阿里巴巴(アリババ、Alibaba)の売上高は同61%増の809億2000万元(約1兆3000億円)だったが、1株あたりの利益は8.04元(約130円)で、市場予測の8.19元(約133円)に届かなかった。京東(JD.com)の第2四半期の純利益も、市場予測に届かないとみられている。

 市場の期待に届かなかったからといって、中国のネット企業が「優等生」から脱落したわけではない。アナリストの予想が楽観的過ぎた面もあるだろう。

 例えば、テンセントの微信(ウィーチャット、WeChat)の第2四半期の月間アクティブユーザー数は同9.9%増の10億5770万人だったが、伸び率は前四半期から鈍化した。

 小米科技(シャオミ、Xiaomi)の決算にも、市場の成熟が現れている。同社の第2四半期のスマートフォン事業収入は約305億元(約49億円)。1台当たりの単価は、2017年第2四半期の863.8元(約1万4000円)から952.3元(約1万5000円)に上昇した。入門型の格安スマホ人気は薄れている。

 一方で、新興ネット企業の成功から分かるように、「二級都市」以下の市場はまだ伸びしろがある。アリババの決算でも、新規ユーザーの約80%は二級都市以下の市場から来ていた。

 ネット企業はリアル経済との融合も模索している。アリババの「新小売」事業の売上高は前年同期比344%増加した。張勇(Daniel Zhang)CEOは「今後、新小売のイノベーションと、既存の小売り企業との提携の両方を進めていきたい」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News