【5月17日 AFP】英国のヘンリー王子(Prince Harry)は、ヘリコプターで同王子の私邸を撮影した通信社から「相当額」の損害賠償金と謝罪を受け入れた。バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)が16日、明らかにした。

 ヘンリー王子は、英国内法と欧州人権条約(European Convention on Human Rights)で保障されているプライバシー権と情報権を侵害されたとして、報道機関に写真や動画を配信する通信社のスプラッシュ・ニュース(Splash News)を相手取って訴訟を起こしていた。

 首都ロンドンの高等法院での代理人陳述によると、同通信社は今年1月9日、ヘリコプターをチャーターし、コッツウォルズ(Cotswolds)のオックスフォード(Oxford)近郊にある同王子の私邸上空を飛行したという。

 ヘンリー王子の事務弁護士は、「ヘリコプターは私邸上を低空飛行し、スプラッシュ社は居間やダイニングスペース、寝室の写真まで撮影した」と明かした。

 同弁護士の話では、撮影の2日後には、朝刊紙タイムズ(Times)をはじめ、多数のオンラインメディアサイトがこれらの写真を掲載。これにより「王子の安心と安全が極めて深刻に損なわれた」ため、転居を余儀なくされたと述べた。

 弁護士が所属する法律事務所によると、スプラッシュ社は私邸の写真の「販売、配信、公開、提供」を中止することに同意。さらに、「ヘンリー王子の私邸の写真および動画の空撮は、プライバシー権と情報権の侵害に当たるとの認識から、今後同じ行為は繰り返さない」と明言したという。

 バッキンガム宮殿は、ヘンリー王子が「(同社の)公式謝罪を受け入れ、歓迎する」と発表した。(c)AFP