【5月17日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)の会場で、5億7500万ドル(約632億円)を投じて建設された4万人収容のアルワクラ・スタジアム(Al-Wakrah Stadium)で16日、こけら落としとしてアミール・カップ(Emir Cup 2019)決勝が行われた。

 著名建築家の故ザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏が設計したドーハ南の沿岸部に位置するスタジアムは、シャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)を擁するアル・サード(Al-Sadd)と中島翔哉(Shoya Nakajima)が所属するアルドゥハイルSC(Al Duhail SC)の選手がピッチに登場すると大声援に包まれた。渋滞が起きて厳しいセキュリティーチェックもあったが、好カードの一戦を前にスタジアムはほぼ満員となった。試合はアルドゥハイルが4-1で勝利し、優勝を飾った。

 タミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)首長は自身の公式ツイッター(Twitter)アカウントで、試合前にスタジアム名が「南のスタジアム」を意味する「アルジャノブ・スタジアム(Al Janoub stadium)」に変更されると発表した。

 伝統的な帆船であるダウ船を模した開閉式の屋根がこのスタジアムの特徴で、イタリアからカタールに運ばれた1400もの部品から造られている。

 キックオフの前にオープニングセレモニーが行われたスタジアムに足を運んだ元オランダ代表のルート・フリット(Ruud Gullit)氏は、「美しいスタジアム」とコメントした。

 1988年の欧州選手権を制したオランダ代表のキャプテンを務めたフリット氏は、「このピッチに来ればプレーしたくなる。デザインはファンタスティックで、もちろんエアコンもある」と語った。

 カタールW杯の8会場は現在建設中か改装中で、ハリーファ国際スタジアム(Khalifa International Stadium)はすでに工事を終えており、今年の世界陸上ドーハ大会(IAAF World Championships in Athletics Doha)の会場となる。

 ドーハから南に15キロメートルの位置にあるアルワクラ・スタジアムは、W杯ではグループリーグや準々決勝が行われる予定となっている。(c)AFP/Gregory WALTON