【5月13日 AFP】バルト3国のリトアニアで12日、ダイア・グリバウスカイテ(Dalia Grybauskaite)大統領の任期満了に伴う大統領選が行われ、経済専門家で政治経験のないギターナス・ナウセーダ(Gitanas Nauseda)氏(54)がトップに立った。2位に付けた元財務相のイングリダ・シモニテ(Ingrida Simonyte)氏(44)との決選投票が今月26日に行われる。格差と貧困対策が焦点になるとみられる。

 3位となり決選投票に進めなかった中道左派のサウリュス・スクバルネリス(Saulius Skvernelis)首相は、「これが政治家としての私に下された評価だ」と述べ、首相職を7月12日に辞する意向を示した。

 ほぼすべての開票作業が終わった時点での得票率は、政治的に中立の立場で福祉国家の建設を公約に掲げるナウセーダ氏が31.07 %、富裕層と教育水準の高い都市の有権者に人気のあるシモニテ氏が29.46%、農村地域の有権者の共感を集めるポピュリスト路線のスクバルネリス氏は20.72%だった。

 大統領選には9人が立候補していた。決選投票に進むナウセーダ氏、シモニテ氏はいずれも、隣国ロシアに対する防波堤としての欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)を強く支持している。

 AFPの取材に応じたビリニュス大学(Vilnius University)のラムーナス・ビルピシャウスカス(Ramunas Vilpisauskas)教授は、決選投票では「(12日の投票で)他の候補者たちに入った票が、特に左派から、ナウセーダ氏に集まる可能性が大きい」と分析した。(c)AFP/Vaidotas BENIUSIS and Mary SIBIERSKI