【5月12日 AFP】フランスで11日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動の26週目のデモがパリなど都市部で行われた。この日も散発的な衝突は見られたが、全体的にデモ参加者の規模は縮小傾向にあることがうかがえた。

 首都パリでは、数百人がマクロン政権の教育改革に抗議してストライキに突入した教員らとの連帯を表明しようと、ソルボンヌ大学(Sorbonne University)の旧パリ第6大学付近をデモ行進した。

 パリではシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りなど中心部の多くがデモ禁止区域とされたため、主催者らが「全国規模」のデモを呼び掛けていた南東部リヨン(Lyon)や西部ナント(Nantes)では、デモ隊と催涙ガスを用いた警官隊とが衝突した。

 11日午後の内務省発表によると、この日の黄ベストデモ参加者数はパリで1200人、仏全土では1万8600人だった。昨年11月のデモ開始以降では最低水準で、当時は全国で28万2000人規模にもなった参加者数の減少が確認された。

 一方、政府発表の参加者数に一貫して異議を唱えてきたデモ主催者側は、11日の参加者数についても仏全土で3万7000人を上回ったと主張している。

 黄ベスト運動の中心人物の一人であるジェローム・ロドリゲス(Jerome Rodrigues)氏など、デモ参加者の一部は運動を持続的な政治勢力に転換すべく、今月下旬に行われる欧州議会選挙に立候補する意向だ。だが、定期的なデモ参加者からは政治的手法に頼るのはご都合主義的だと懐疑的な声も上がっており、世論調査の結果も黄ベスト候補者らの躍進はないと示唆している。(c)AFP/Joseph Schmid