【5月10日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーは9日、欧州サッカーの方式に倣い、オールスターゲーム(NBA All-Star Game)の代わりにシーズン中にノックアウト方式のトーナメントを組み込み、試合数を削減していく必要があるという見解を示した。

 90億ドル(約9900億円)の規模を誇るリーグを過去5年運営している57歳のシルバーコミッショナーは、米首都ワシントンに拠点を置くビジネス団体のための非営利組織「The Economic Club of Washington」のイベントに出席し、NBAに関するさまざまな持論を展開した。

 その中でコミッショナーは、改革案が新たにリーグを盛り上げると同時に、数々の問題も解決する可能性があると強調した上で、「海外サッカーでは、シーズンを通じて数々のカップ戦が行われている」「私は各チームに試合数を削減する必要性を訴え、シーズン中にトーナメントを開催することを提案している」とすると、「私の話はあくまでも、他のコンセプトを検討する必要があるという意味だ」と述べた。

 五輪の米代表としてNBAドリームチームが結成されたり、世界中の誰もがどのチームでも観戦できるコミュニケーションツールが開発されたりする以前、NBAオールスターゲームは全米やリーグを大いに盛り上げるイベントであり、その時代の偉大なスター選手が一堂に会する貴重な機会となっていた。

 しかし現在の球宴は、チームや選手たちが負傷を避けようとして、豪快なダンクやシュート合戦を繰り広げるだけのイベントと化しており、シルバーコミッショナーは、「選手やチームがオールスター戦を盛り上げようとしないのであれば、われわれが新しいコンセプトを考えていかなければならない」と述べた。

 1967-68シーズンから各チームが年間82試合を戦っているNBAで、シーズン中にノックアウト方式のトーナメントを開催すれば、リーグは記録的な放映権料が見込める。さらに、スター選手にとっては十分な休養が取れない可能性があるとしても、スケジュールの短縮につながり、チームに新たな目標が与えられることになる。

「リーグとして、われわれは試合数について検討していく必要がある」「今は試合数が多すぎるかもしれない」