【5月29日 東方新報】中国のネット出前サービス大手の美団(Meituan)はこのほど、新しいサービス「美団配送(Meituan Peisong)」を立ち上げ、配送プラットフォームを他社に開放したと発表した。技術プラットフォームや輸送ネットワークなどの面で、他企業に対し開放することで経営効率改善をサポートし、社会物流コストの低減を推進していくとしている。

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 同社との提携を決めているのは、仏系スーパーマーケットチェーンの「カルフール(Carrefour)」、デイリークイーン(Dairy Queen)やパパジョーンズ(Papa John's)などを手掛ける「CFBグループ(CFB Group)」、フルーツ販売チェーンの「百果園(Pagoda)」など。

「美団配送」はコンビニ、従来型スーパー、小売店、オフィスビルなどの異なるシーンに合わせて4種類の輸送モデルを設定している。各輸送モデルと、即時配送システムや無人配送車などを組み合わせることにより、配送シーンや各企業の配送ニーズの違いに対応し、提携企業の配送効率を向上させ、物流コストを低減することができるという。

 中国物流・購買連合会(China Federation of Logistics & Purchasing)の崔忠付(Cui Zhongfu)副会長によると、即時配送は飲食業の出前から始まり、現在では高級スーパー、生鮮食品などへ広がっている。「ネットで注文して届けてもらう」ことが消費者の日常の習慣になるにつれて、飲食以外の業界でも即時配送が求められるようになっていたが、対応できずにいたことが悩みの種だったという。

 著名なEC専門家である李成東(Li Chengdong)氏は、「美団が配送サービスを開放した大きな理由は、収入増にある」と語る。「美団は株式上場後、プレッシャーも大きくなった。特に物流コストは大きいので、他の企業に開放することにより、運営コストを分担してもらい、自身の物流コストを低減しなければならない」と指摘している。(c)東方新報/AFPBB News