【5月9日 AFP】米当局の要請に基づき、対イラン制裁に違反した容疑でカナダ当局に逮捕された中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)最高財務責任者(CFO)の孟晩舟(Meng Wanzhou)被告(47)は8日、米国への身柄引き渡しに断固抵抗する姿勢を明らかにした。

 孟被告は米国への身柄引き渡しに関する審理日程の設定のためにこの日、バンクーバー(Vancouver)の裁判所へ出頭。

 裁判所前で取材に応じた孟被告の広報担当者ベンジャミン・ハウズ(Benjamin Howes)氏は「孟氏に対する起訴は、単に真実でない容疑に基づいたものだ」と述べ、逮捕の背後に「政治的な要素があるのではないか」との見解を示した。

 ファーウェイ最高経営責任者(CEO)、任正非(Ren Zhengfei)氏の娘で後継者と目されている孟被告の逮捕により、カナダと中国の関係は危機的状況に陥っている。

 中国ではカナダ人元外交官のマイケル・コブリグ(Michael Kovrig)氏と実業家のマイケル・スペーバー(Michael Spavor)氏がスパイ行為と国家機密窃取の容疑で身柄を拘束され、孟被告逮捕に対する報復とみられている。また麻薬取引で起訴されていたカナダ人の被告2人には死刑判決が下された。(c)AFP/Alia DHARSSI