【5月8日 AFP】南アフリカで8日、総選挙の投票が始まった。まん延する汚職や経済の低迷、記録的な失業率といった状況にもかかわらず、1994年から政権を担ってきた与党アフリカ民族会議(ANC)が第1党になる見通しだ。

 ANCは過去5回の総選挙すべてに勝利しているが、今回の選挙では人気の下落に歯止めをかけられるかが焦点となっている。

 ANCは議席数は減らすが過半数は維持するものとみられており、有権者の間で高まる不満を新たなリーダーであるシリル・ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領が食い止めるという結果となりそうだ。また、ラマポーザ氏の人気と野党勢力の弱さから大方の世論調査ではANCが6割近い得票数を確保するものとみられている。

 ただ、アパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃以降、貧困や不平等に対するANCの取り組みは不十分だったと考える国民の怒りは高まっている。2018年の経済成長率はわずか0.8%にとどまり、若者が半数以上を占める失業率はおよそ27%と高止まりしたままだ。

 投票は8日午後9時(日本時間9日午前4時)まで行われ、11日には公式な結果が判明する見通し。(c)AFP