【5月5日 AFP】米国競馬のG1レース、第145回ケンタッキーダービー(145th Kentucky Derby、3歳、ダート約2000メートル)が4日、米ケンタッキー州ルイビル(Louisville)のチャーチルダウンズ競馬場(Churchill Downs)で開催され、1位入線したマキシマムセキュリティ(Maximum Security)が前代未聞の降着となった結果、穴馬のカントリーハウス(Country House)が優勝を果たした。

 ルイス・サエス(Luis Saez)騎手が騎乗したジョン・サービス(John Servis)厩舎のマキシマムセキュリティは、ぬかるんだコースで序盤から快調に先頭を走っていたが、最終コーナーで外へ大きくよれたことで異議が出され、20分の審議の結果、ウォーオブウィル(War of Will)の進路を妨害し、レース結果に大きな影響を及ぼしたと判定された。

 ケンタッキーダービーで首位入線の馬が失格になるのは史上初めて。この裁定により、トップのカントリーハウスに続いてコードオブオナー(Code of Honor)が2着、タシトゥス(Tacitus)が3着に繰り上がった。マキシマムセキュリティは、19頭中17位となった。

 カントリーハウスのウィリアム・モット(William Mott)調教師は65歳で自身初となるケンタッキーダービー制覇を果たし、また異議申し立てを行ったフランスのフラビアン・プラ(Flavien Prat)騎手も同レース初優勝となった。

 各馬の調教師と騎手、そして15万人以上の観衆が審議の結果を待つ中で、プラ騎手は「非常に良いレース運びをし、外側でコーナーを曲がっていたら、いきなり内から外へ大きな動きがあった」「それで押し出された。しかしその後も、自分はフェアな走りをした」とレースを振り返った。

 一方で4戦全勝のマキシマムセキュリティに騎乗したサエス騎手は、ホームストレートの観客の大歓声に馬が驚いたと話している。(c)AFP