【5月3日 AFP】ウィリアム・バー(William Barr)米司法長官は2日、ロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官によるロシア疑惑の捜査報告書の扱いに関し、下院司法委員会(House Judiciary Committee)公聴会での証言を拒否した。バー氏の公聴会欠席に民主党は強く反発し、侮辱罪での非難決議案の採択も辞さないと警告した。

 バー氏は1日、共和党が過半数を占める上院の公聴会で証言した際、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領を擁護するため捜査報告書の内容をごまかしたとして民主党議員から非難されていた。

 バー氏は、下院司法委員会が予定していた公聴会を欠席。これに先立ち同委員長は委員会の選出した議員らがバー氏の尋問を行い、その後弁護士らによる反対尋問を行うと表明していた。

 バー氏の欠席を受け反発を強めたとみられる民主党議会トップのナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は、議員らを誤解させているとしてバー氏を非難。バー氏は「議会にうそをついた」と明言した。これはバー氏が4月、議員らの前で宣誓後に行った証言に触れたものとみられる。

 バー氏は4月の公聴会で、ロシア疑惑捜査報告書の自らがまとめた概要をモラー氏が支持したかについて知らないと断言し、モラー氏の捜査チームがこの概要に不満を抱く理由についてわからないと述べた。しかしバー氏はこの証言を行った時点でモラー氏が不満を説明した3月27日付の手紙をすでに受け取っていたことが4月30日に判明。ペロシ氏は「他の誰かがやっていれば、犯罪とみなされる」と述べた。(c)AFP