【5月1日 AFP】米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)が、女子高生の自殺をテーマに制作したドラマシリーズ「13の理由(13 Reasons Why)」の配信開始からの9か月間に、米国の10代の自殺者が急増したことが、調査で明らかになった。

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 ドラマについては2017年3月の公開当初から懸念が広がっており、医療・教育関係者らから、思春期の若者ら感受性の強い層に悪影響を及ぼしかねない内容だという声が上がっていた。

 米国児童青年精神医学会(AACAP)の雑誌に掲載された報告書によると、ドラマ配信後の9か月間に自殺した10~17歳は195人に上り、29%近く増加したと調査班はみている。特に公開直後の月には、同じ年齢層の自殺者数が「著しく増加」したという。

 調査班を率いた米オハイオ州ネーションワイド小児病院(Nationwide Children's Hospital)のジェフリー・ブリッジ(Jeffrey Bridge)氏はAFPの取材に対し、このドラマでは主人公の自殺がセンセーショナルに描かれていると指摘。

「今回の調査結果で、同シリーズがメディアでの自殺描写をめぐるガイドラインを無視しているという懸念が確認された」と述べた。

 ドラマのシーズン3を制作しているネットフリックスは、「調査結果を吟味している」と明かすとともに、この慎重を要する問題に責任を持って対応していくという意向を示した。(c)AFP