【5月1日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)治水弁公室によると、浙江省温州湾(Wenzhou Bay)の干潟で渡り鳥のヘラシギが1羽確認された。一時は姿が見られなくなってしまったヘラシギだが、近年の持続的な生態環境の改善、特に水質の改善によって、浙江省に再び姿を現した。

 ヘラシギは渉禽(しょうきん)類で、世界で最も希少な鳥類の一種。ヘラ型のくちばしが特徴だ。統計によると、世界で確認されているヘラシギの数は約210~228羽程度で、個体数はジャイアントパンダよりもはるかに少ない。

 温州湾はヘラシギが訪れる最北の越冬地として知られ、これまで同地区では多くのヘラシギが確認されていた。2007年11月には温州の野鳥観察者が甌江口区(Oujiangkou)永強(Yongqiang)の干潟でヘラシギを発見し、約100メートル離れた場所からの撮影に成功。温州市は、浙江省内で最初にヘラシギの写真撮影記録を残した場所となった。温州湾ではその後も、ヘラシギの国際ワーキンググループの専門家も何度か撮影に成功しており、1度の観察で最大8羽のヘラシギの撮影に成功した記録も残っている。

 鳥類保護を活動目的とする国際環境NGO団体、バードライフ・インターナショナル(BirdLife International)から重要鳥類区として指定される温州湾には、毎年多くの希少な渡り鳥が越冬に訪れる。温州湾の湿地帯では毎年、中継地として立ち寄ったり越冬したりする渡り鳥が100種類以上、約10万羽確認されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News