【4月8日 CNS】くぼみのある耳部から超音波シグナルを出す特徴を持つ、中国固有種で希少種の野生カエル「凹耳蛙(Aoerwa)」が、中国・江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)と宜興市(Yixing)で調査を進めていた中国人研究者によって発見された。

 3月20日から4月1日にかけて調査を進めていた中国科学院(Chinese Academy of Sciences)生物物理研究所(Institute of Biophysics)の沈鈞賢(Shen Junxian)、徐智敏(Xu Zhimin)夫妻は、張渚鎮茗嶺村などで次々と「凹耳蛙」を発見した。江蘇省でこのカエルが発見されたのは初めて。

「凹耳蛙」は、外見はトノサマガエルに似ているが、くぼみのある耳部から超音波シグナルを出す特徴がある中国固有種で、数十万年の歴史があると推測されている。しかし、温度や水質など、生存できる環境条件が限られている。冬眠期間は短く、2月末から3月初めには冬眠から目覚め、すぐに繁殖期に入る。

 沈氏によると、超音波を発するカエルは現在、世界で2種類のみで、中国の「凹耳蛙」のほかは世界でインドネシア・北カリマンタン州に生息する固有種だという。実験による検証では、「凹耳蛙」は20キロヘルツ以上の超音波シグナルを出し、コウモリやイルカに匹敵すること強さであることが証明されている。また、凹耳蛙は人類の外耳道と同じような構造を持っていることが分かっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News