【4月21日 AFP】米コロラド州のコロンバイン高校(Columbine High School)で銃乱射事件が起きてから20年となる20日、同校のあるリトルトン(Littleton)で犠牲者を追悼する式典や集会が行われ、町の人々は悲しみや喪失感を新たにしつつ、癒やしを求めようとしていた。

 米国人の脳裏に「コロンバイン」という言葉を焼き付けることとなった事件は1999年、同校の生徒だったディラン・クレボルド(Dylan Klebold)容疑者とエリック・ハリス(Eric Harris)容疑者が黒いトレンチコート姿で校内に乱入し、銃を乱射して生徒12人と教員1人を殺害したもので、両容疑者は銃で自殺した。

 米国では事件を契機に銃を所持する権利と銃暴力をめぐり、激しい論争が巻き起こった。だが、事件当時に大統領だったビル・クリントン(Bill Clinton)氏を含め、現在までに4人が米大統領の座についていながら、銃の問題は依然として解決から程遠いようだ。

 米国内に流通する銃の数は現在も増加傾向にある。米人口3億2600万人に対し、現時点で米国人が所有する銃の数は3億9300万丁に上る。

 さらに恐ろしいことに、米国人にとって銃乱射事件は日常生活の一部になりつつある。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の独自調査によれば、コロンバイン事件からこれまでに、推定で全米233校の生徒22万6000人が銃の発砲を目撃したり銃撃音を聞いたりしている。

 だが、政界に強い影響力を持つ銃ロビー団体の存在や、銃所持を歴史的な慣習とみなす信条などから、銃規制の動きはほとんど進展していないのが実情だ。(c) AFP/Jason Connelly