【4月20日 AFP】国連(UN)によるリビア停戦仲介が難航する中、米ホワイトハウス(White House)は19日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がリビアの元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏と15日に電話会談を行っていたことを明らかにした。

 ホワイトハウスによると、トランプ氏とハフタル氏は15日、「リビアで現在行われているテロ対策活動や、平和と安定を実現する必要性」について話し合った。トランプ氏は、「テロとの戦いおよびリビアの石油資源確保におけるハフタル氏の重要な役割を認めた」上で、リビアの安定した民主的政治体制への移行に向けた共通のビジョンについてハフタル氏と協議したという。

 ホワイトハウスは、この電話会談についての発表が遅れた理由を明らかにしなかった。

 トランプ氏が国際的に承認されたファイズ・シラージュ(Fayez al-Sarraj)暫定首相をなおざりにして軍事組織「リビア国民軍(LNA)」を率いるハフタル氏に賛辞を送ったことは米国がハフタル氏を支援している証拠であり、ハフタル氏がリビアの首都トリポリの奪取を目指しての攻勢を決断したこともこれで説明が付くという見方が出ている。

 エジプトやアラブ首長国連邦(UAE)からはイスラム過激派に対する防波堤と見なされているハフタル氏は、国連の支持を受けた国民合意政府(GNA)とその同盟勢力が支配下に置く首都トリポリの奪取を目指すと公言している。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は18日、英国が提出したリビア停戦決議案の採決を行ったが、フランスとドイツが支持する一方、ロシアと米国が反対し、否決された。ロシアは、決議案にはハフタル氏への批判が含まれていないと主張する一方、米国はもう少し状況を見守りたいと述べた。(c)AFP/Philippe RATER