リビア首都争奪戦続く、数十人死亡 8000人避難
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【4月13日 AFP】リビアの首都トリポリ郊外で12日、元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏率いる軍事組織「リビア国民軍(LNA)」が、国連(UN)の支持を受けた国民合意政府(GNA)側の部隊と戦闘を繰り広げた。数日にわたる戦闘で、これまでに数十人が死亡、約8000人が避難を余儀なくされた。
首都を奪取しようと攻勢を強めるLNAに対し、ファイズ・シラージュ(Fayez al-Sarraj)暫定首相を中心に統一政府樹立を目指すGNAが防衛戦を展開。銃声や爆発音が響きわたり、煙が立ち上った。
12日の主戦場となったのは首都トリポリ南郊のアインザラ(Ain Zara)地区とワジラビ(Wadi Rabi)地区、アルスワニ(Al-Swani)地区。トリポリの中心部から約20キロの距離にある。
AFP記者は、ワジラビ地区への空爆を目撃した。別の目撃者によると、首都東郊タジュラ(Tajoura)地区にも空爆が行われた。こちらは士官学校を標的にしたものとみられる。
世界保健機関(WHO)は12日、この8日間に数十人が死亡、300人以上が負傷したと発表した。国連によると、LNAの首都進軍により、これまでに約8000人が自宅からの避難を余儀なくされており、首都圏からの避難民の数は増え続けているという。
スイス・ジュネーブで記者会見した国連のレアル・ルブラン(Rheal Leblanc)報道官は「多くの家族が紛争地域に取り残されている」と述べた上で、食糧などの生活必需品も底を突きつつあると明らかにした。(c)AFP/Rim TAHER and Imed LAMLOUM