【4月30日 CNS】ある男が人生の「指し手」を一手誤り、年収が数百万元(100万元は約1668万円)の富豪から、1000万元(約1億6680万円)を超す負債を抱える「借金王」に転落。逃亡して5年もの間、山奥に潜んでいた。

 この男(53)は、浙江省(Zhejiang)義烏市(Yiwu)にある大型ガソリンスタンドの株主の一人だったが、投資の失敗や賭博で多額の借金を抱え、ガソリンスタンドの資産300万元(約5000万円)をその穴埋めに使ってしまった。

 そのことが露見すると、男は江西省(Jiangxi)玉山県(Yushan)の、廃鉱になっていた古い鉱山に逃げ込んだ。5年もの間、世間から隔絶された生活を送った後、最近になってとうとう出頭してきた。

 男は、ガソリンスタンドの総経理をしていた。失踪後の2013年6月19日、男が失踪し、資産300万元相当が前年の12年5月から13年1月の間に消失していたこととして、ガソリンスタンドの法人代表者が警察に届け出た。

 義烏市の警察が捜査したところ、男は失踪するしばらく前に危険運転罪で公判を控え、保釈中の身だった。警察によると、12年10月、男は投資失敗の憂さ晴らしに友人と酒を飲み、酒に酔った状態で車を運転し、電柱に衝突。けが人はなかったが、体内から多量のアルコールが検出され、重度の飲酒運転と判定された。

 警察は、男がかつて玉山県の鉱山開発に参画していた事実をつかみ、玉山一帯を捜索したが、足取りはつかめなかった。警察はその後、男の家族を頻繁に訪ね、家族から本人に出頭を勧めるよう辛抱強く説得。その努力が実り、山奥に5年間も潜んでいた男は、18年年末になってとうとう出頭してきたのだ。

 出頭してきた男の髪は肩よりも伸び、頭はぼさぼさ、顔は垢だらけだった。供述によると、鉱山の廃屋にこもり、1か月に1度だけふもとに下りて生活用品を買う以外は、毎日鳥の声を聞いて過ごす原始的な生活だったという。現在、業務上横領罪と危険運転罪で起訴されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News