【4月14日 AFP】エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動は13日、22週目を迎えた。マクロン氏は数日内にも新たな政策を発表するとしているが、この日も各地でデモが実施され、全国で数万人が参加した。

 マクロン氏は黄ベスト運動による社会危機の打開を目指して、約5か月前から「国民討論会」を開催。この結果を分析し、これに基づいた新たな政策が近く発表される予定だ。しかし、パリで行われたデモでは、「国民討論会は大いなるべらべらべら」「マクロン、あんたの発表には何も期待しない」などと書かれた横断幕が見られた。

 13日のデモは、黄ベストデモの暴徒化を受けて治安部隊の権限拡大を認めた新法が施行されてから初めてのものとなった。反対派は市民の自由権侵害にあたると同法に抗議しているが、地元当局によると、新たに導入された同法の下で15人が逮捕され、5885人が職務質問を受けた。

 首都パリでは、これまでのデモで破壊行動が横行したシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りが封鎖され、今回のデモは南部トゥールーズ(Toulouse)が「中心地」となった。デモ隊と警官隊との緊張が最高潮に達したトゥールーズでは、デモ隊が建設用機械や車両に放火、警察側は催涙ガスや閃光発音筒(スタングレネード)で応酬した。

 このほか、南西部ボルドー(Bordeaux)や南部モンペリエ(Montpellier)でも小規模なデモが行われた。

 内務省発表によれば、13日のデモ参加者は仏全土で約3万1000人で、先週の2万2300人から増加。パリでも参加者は先週の3500人から増えて5000人となった。

 政府側が発表する数字について、デモ主催者側は黄ベストデモの参加者数を大幅に少なく見せようとしていると主張し、一貫して異議を唱えている。(c)AFP/Hugues JEANNAUD avec Arnaud BOUVIER a Paris