【4月13日 AFP】国際通貨基金(IMF)の高官は12日、ベネズエラが経済崩壊から立ち直るには「10年から数十年かかる」との見解を示した。

 IMF西半球部門のアレハンドロ・ワーナー(Alejandro Werner)局長はAFPの取材に対し、原油の確認埋蔵量で世界一を誇るベネズエラは、戦災国レベルの破滅的な状況に陥っていると述べた。

 IMFは今年のベネズエラ経済について、前年比で25%、2013年以降で計61%縮小すると予測。1000万%のハイパーインフレに見舞われ、失業率は40%を超えるとみている。

 AFPがワーナー氏に対して行ったベネズエラ再建支援計画に関するインタビューを以下にQ&A形式でまとめる。

Q:IMFはベネズエラの未来を破滅的と予測している。石油に関してはどうか?

A:経済の崩壊は予想を大きく上回っている。国外への避難者も大量に出ており、人道的にもさまざまな影響が出ている。原油生産量も急激に減少し続けるだろう。日量60万バレルにまで減少すると予想している。

Q:ベネズエラ経済の回復にはどれくらいかかるか?

A:10年から数十年。武力紛争や内戦、自然災害で似たような経済崩壊に陥った国のほとんどは、崩壊以前と同等の生活水準に戻るまでに10年から数十年かかった。

Q:ベネズエラ経済の崩壊の原因は何か?

A:経済システムや生産システムの制度破綻により、ベネズエラ経済は崩壊し始めた。2014年の原油価格の下落は崩壊の直接のきっかけではないが、それによって加速化したのは明らかだ。しかしそれ以前から経済成長は止まり、インフレ率も上昇し始めていた。原油への依存率が高い他の国々は、ベネズエラよりずっとうまく問題を乗り切っている。(c)AFP/Alina DIESTE