【4月11日 AFP】ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は10日、赤十字国際委員会(ICRC)との間で、同国に人道支援物資を搬入するための合意を締結したと発表した。かつて豊かだったベネズエラは現在、食料や医薬品、せっけんやトイレットペーパーといった生活必需品の深刻な不足に苦しんでいる。

 これまで支援物資の受け入れを拒否してきたマドゥロ大統領は方針を転換させ、政府と赤十字が「国連(UN)機関と協力し、国内に持ち込むことが可能なすべての人道支援物資を搬入することに合意した」と、国営テレビとラジオを通じて発表した。

 マドゥロ氏はベネズエラが人道危機に陥っている事実はないと否定し、経済的苦境に追い込まれているのは米国の制裁のせいだと訴えている。

 石油資源が豊富なベネズエラの経済が破綻する中、マドゥロ氏と、野党指導者で暫定大統領就任を宣言し、支持を徐々に広げているフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長との勢力争いはこう着状態にある。

 現在、米国を筆頭に50か国以上からベネズエラの正統な暫定大統領と認められているグアイド氏は、自国の危機の原因は政府の無能さと腐敗にあると批判している。(c)AFP