【4月13日 AFP】米国で12日、心と体の性別が一致しないトランスジェンダー(性別越境者)の人々の軍入隊を制限する措置が施行された。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領によるこの措置は反発を生み、連邦最高裁判所にまで達する長期の法廷闘争を引き起こしていた。

 トランプ政権は、トランスジェンダーの人々による兵役を許可したバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の方針について、「軍の効率性と攻撃力に対するリスクが大き過ぎる」として撤回を表明。国防総省は、今回の制限措置は入隊の全面禁止ではないとしているが、これによりトランスジェンダーを自認する人の多くが入隊を禁じられる上、現在兵役に就いている人々も影響を受ける可能性がある。

 入隊制限措置は、トランプ氏が2017年7月にツイッター(Twitter)で初めて発表して以来、さまざまな改変がなされてきた一方で、人権団体からの大きな批判を呼び、差し止めを求める法廷闘争にも発展。最高裁は今年1月、判決を待つ間の措置として、入隊制限の発効を認めていた。

 最新版の措置では、性別移行を終えたりホルモン療法を必要としたりする人は入隊が不可能となる。国防総省によると、「性別違和」と診断された人も「仮不適格」とされ、「過去36か月間にわたり安定した状態にあり、生物学的性別で就役する意思と能力がある」人以外は入隊が不可能となる。

 一方、既に入隊済みの人々については、11日までに性別移行を終えたり、性別適合手術を希望したりしていれば今後も兵役を続けられる。だが12日以降に性別違和と診断され、「生物学的性別で就役する意思と能力がない」人は除隊処分を受けることとなる。(c)AFP/Sylvie LANTEAUME