【4月28日 CNS】スノロジェさん(32)は8年前、中国・雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)の大学を卒業した後、故郷の香格里拉市(シャングリラ、Shangri-La)に戻り、家業のハダカムギを使って造る「青稞酒」造りを継いだ。スノロジェさんは大学在学中に、実家で製造する青稞酒の商標登録をしていた。

 故郷に帰ると早速、酒造りの改革に着手した。チベット族の青稞酒造りの伝統技術の核心部分は維持しつつ、繰り返しの作業で時間がかかるところを設備の導入で合理化し、新たな酒瓶や外装パッケージをデザインした。

 古い酒造場は新たに生まれ変わり、品質はそのままで、生産量は従来の日産100キロから1トンに増加。注文の対応でてんてこ舞いするほどになった。

 しかし、スノロジェさんは言う。「新しい技術と新しい販売方法のおかげで商売は順調です。でも今は、着実に進んでいきたいと考えています。あまり速く走ると、私たちの伝統技術の良い面が失われるかもしれない。品質重視こそが先祖から受け継いだ酒造りの精神ですから」(c)CNS/JCM/AFPBB News