【4月9日 AFP】ロシア極東のナホトカ(Nakhodka)で、輸出目的で捕獲されたシロイルカやシャチ100頭近くが狭いいけすに長期間、閉じ込められている問題で、地元当局者は8日、著名環境活動家らと会談し、全頭の解放に向けて努力すると語った。

 この問題はメディアが「イルカ監獄」と名付けて報じ、イルカやシャチたちの解放を求める環境活動家たちの運動に世界規模で賛同が巻き起こっていた。

 こうした状況を背景に、フランスの伝説的な海洋学者、故ジャックイブ・クストー(Jacques-Yves Cousteau)氏の息子の環境活動家ジャンミシェル・クストー(Jean-Michel Cousteau)氏とクジラ保護団体を率いるチャールズ・ビニック(Charles Vinick)氏は先週、問題のいけすを視察。8日にロシア沿海地方のオレク・コジェミャコ(Oleg Kozhemyako)知事を訪問した。

 コジェミャコ知事は2人との会談後、「イルカたちを自然に返すことを決断した」と発表。クストー氏ら3人は、連名による共同声明で、「われわれの目標は(捕獲されているシロイルカとシャチ)全頭の解放だ」と明らかにした。

「イルカ監獄」によって、ロシアの企業が法の抜け穴を突いて「教育目的」だとしてイルカやシャチを合法的に捕獲し、中国を主とする海外の水族館などに輸出していたことが明らかになり、世界的に批判が高まっていた。(c)AFP/Maria ANTONOVA