【4月6日 AFP】サッカーイングランド・プレミアリーグは5日、議論されている欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の改革について、リーグ戦の盛り上がりを台無しにするものであり、「深刻な懸念」があると訴えた。

 これまで報じられている計画では、2024年からチャンピオンズリーグの試合数が増えることになり、現行の1組4クラブ×8グループ制から1組8クラブ×4グループ制に変更される可能性がある。

 さらに、翌年の出場権は各組の上位6チームが自動的に獲得する降格や昇格を伴った階層システムによって決まり、各リーグ戦の順位ではなくなるとされている。一方、試合が週末に行われる可能性については、欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長が否定した。

 プレミアリーグはコメント文を発表し、「2024-25シーズンからUEFAのクラブ大会のフォーマットや予選基準が変更されると報じられている件に関して、プレミアリーグの全20クラブは本日の会合で『深刻な懸念』について議論した」と述べた。

「全クラブは欧州サッカーの統括団体がリーグ戦の構造、カレンダー、そして競争を一変させてしまう計画をつくり出すことは不適切であると意見が一致し、これから団結してプレミアリーグを守っていく所存である」

 プレミアリーグは最も競争が激しいリーグの一つで、マンチェスター・シティ(Manchester City)、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、リバプール(Liverpool FC)、チェルシー(Chelsea)、アーセナル(Arsenal)、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)などの強豪チームは毎シーズン、四つしかないチャンピオンズリーグの出場権を争っている。

 この6クラブは今季いずれも欧州大会で勝ち残っており、シティ、ユナイテッド、リバプール、トッテナムは次週のチャンピオンズリーグ準々決勝に臨むほか、アーセナルとチェルシーもヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2018-19)でベスト8に進出している。

■主要リーグも反対

 欧州その他の主要リーグでは、高額なテレビ放映権で優位に立つプレミアリーグに対抗するための改革案を模索しているのも実情となっている中で、プレミアリーグは「イングランドでは、サッカーが文化や日常に重要な役割を担っている」と訴えた。

「国内で数百万人のファンが試合を観戦し、その忠誠心や地元のライバル関係は各世代に受け継がれていく。われわれのリーグは見応えのあるサッカーと献身的なファンという素晴らしいコンビネーションで成り立っており、それは積極的に守っていく」

 改革案に反発しているのはプレミアリーグだけではなく、スペイン1部リーグやドイツ・ブンデスリーガ1部の責任者も批判の声を上げている。

 欧州の各リーグを統括するヨーロピアン・リーグス(European Leagues)のラース・クリスター・オルソン(Lars-Christer Olsson)代表は同日、改革案には「全会一致」で反対すると表明し、ポルトガルの首都リスボンで開かれた年次総会で、「われわれの主な役割は、安全装置として各リーグを守ることだ」と述べた。(c)AFP/Kieran CANNING