【4月6日 AFP】初めて撮影されたブラックホールの画像をもうすぐ見ることができるかもしれない。

【写真特集】宇宙の神秘

 超巨大ブラックホールの姿を捉えるため世界の電波望遠鏡で観測する国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」に参加する天文学者らは今月10日、「6元記者会見」を開いてEHTの成果を発表する。

 天文学者らは1700年代に、すべてをのみ込む「暗黒の星」について思いをめぐらせ始めた。それからというもの間接的な証拠が徐々に蓄積されていった。

 欧州宇宙機関(ESA)の天体物理学者でブラックホールが専門のポール・マクナマラ(Paul McNamara)氏は、「50年以上前、科学者たちは私たちのいる銀河系の中心にとても明るく輝くものを発見した」と説明した。最終的に天文学者らは、白熱したガスとプラズマの渦に囲まれたこの輝く点が、実は「ブラックホール」であると推論した。

 史上初のブラックホール画像に向けてデータを収集してきたEHTは、これまでの天文台とは大きく異なる。

 フランス南東部グルノーブル(Grenoble)にあるミリ波電波天文学研究所(IRAM)の天文学者、ミヒャエル・ブレーメル(Michael Bremer)氏はAFPに対し、「巨大な望遠鏡を建造しても自重に耐えきれずに壊れてしまう可能性が高いので、代わりに複数の天文台を組み合わせて1枚の巨大な反射鏡のようにすることにした」と説明した。

 2017年4月、米国のハワイとアリゾナ、スペイン、メキシコ、チリ、そして南極に点在する8か所の電波望遠鏡が、宇宙の全く異なる位置にある二つのブラックホールのデータを集めた。

 来週公開されるのはどちらか一方のブラックホールの詳しい観測結果だとみられる。地球が属する楕円(だえん)銀河の中心にあるブラックホール「いて座A*(Sagittarius A*)」について発表されるという見方が優勢だ。

 EHTのもう一方の観測対象は、巨大銀河「M87」にあり、いて座A*の1500倍の質量を持つ巨大ブラックホールだ。(c)AFP/Marlowe HOOD