【4月4日 AFP】(更新)英下院は3日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の再延期を目指すよう政府に求める議案を賛成313、反対312の僅差で可決した。同案は4日に上院で採決される。

 英国のEU離脱は当初の期限だった3月29日からすでに一度延期され、現在は今月12日とされている。

 テリーザ・メイ(Theresa May)英首相は2日、テレビ演説し、秩序ある離脱に向けてEU側とまとめた協定案の議会承認に必要な時間を確保するため、ベルギーのブリュッセルで10日開かれるEU首脳会議で「短期」の離脱再延期を求める考えを示していた。

 メイ首相は3日、採決に先立ち、協定案が承認されないまま「合意なき離脱」に至り、大きな混乱が生じることを避けるため、最大野党・労働党のジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首との間で妥協案を協議していた。

 首相は2日のテレビ演説で、従来の基本方針を曲げる姿勢を示し、与党・保守党の多数派の意向よりも大幅に近い貿易関係をEUと築く案に耳を傾ける用意があると表明。土壇場でコービン氏からの支持獲得に動いていた。

 メイ、コービン両氏は3日の協議について、予備的なものではあるが建設的な話し合いができたとの見方を示している。

 英首相官邸報道官は「本日の協議は建設的だった。ブレグジットの先行き不透明な現状に終止符を打つため、双方が柔軟性と献身性を示した」と説明。「われわれは、英国民の雇用と安全を確保するための検討事項について一致した」と述べた。

 一方、コービン氏は「望んだほどの変化はなかったが、技術的な問題を探るため明日(4日)も協議を続ける」とした。

 コービン氏によれば、同氏は労働党側の要望として、EUとの関税同盟にとどまることと、EUの単一市場へのアクセスを確保することをメイ首相に求めたほか、「合意なき離脱」や悪条件下での離脱を防ぐため国民投票を行う選択肢を示した。(c)AFP