【4月9日 AFP】プラスサイズの女優たちは長い間、コミカルな役や脇役に追いやられてきた。だが、体形の多様性に対する人々の意識の変化により、ついに中心的な役を演じられるようになった。

 テレビの誕生以来、すらりとした女性が主役を演じることがお決まりになっていた。動画配信サービスHulu(フールー)の新シリーズ「Shrill(原題)」は、このお決まりの型から抜け出そうとする制作会社の意欲を示していると言える。

 オスカー(Oscar)女優のオクタヴィア・スペンサー(Octavia Spencer)やモニーク(Mo'Nique)、ラッパーのクイーン・ラティファ(Queen Latifah)といった、10年以上前から映画やテレビで主役を演じ、活躍してきたプラスサイズの女性たちは確かにいた。

 だが、体重の重い女優らは新しいタイプの役を獲得し始めている。

 最近では、クリッシー・メッツ(Chrissy Metz)が『THIS IS US 36歳、これから(This is US)』で、ダニエル・マクドナルド(Danielle Macdonald)がネットフリックス(Netflix)の映画『Dumplin'(原題)』で注目を浴びた。一方、『ピッチ・パーフェクト(Pitch Perfect)』のレベル・ウィルソン(Rebel Wilson)や、『ゴーストバスターズ(Ghostbusters)』のメリッサ・マッカーシー(Melissa McCarthy)も定期的に主役級を演じている。

 Shrillで主役を演じるエイディ・ブライアント(Aidy Bryant)は、女性誌「エル(ELLE)」とのインタビューで「米国の一般人そしておそらく世間一般の人は、テレビで太った女性を見るのに慣れていないと思う」と語った。

 米コネティカット大学(University of Connecticut)教授で、食料政策と肥満の研究を行っているラッドセンター(Rudd Center)副所長のレベッカ・プール(Rebecca Puhl)氏は、「何らかの変化が始まりつつあることを感じている」と語る。

 体重に対する偏見と闘う団体「肥満行動連合(Obesity Action Coalition)」のジェームス・ ゼルビオス(James Zervios)氏は「以前は、肥満の人は真面目な役よりも喜劇的な役を割り当てられることが多かった」と指摘する。「つい最近になり、肥満の人にもっと印象的な役が割り当てられるようになった」