工場で「再教育」、新疆でイスラム教徒に強制労働 中国
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【3月27日 AFP】中国・少数民族カザフ人のグルジラ・アウエルハン(Gulzira Auelkhan)さん(39)がせっせと手袋を縫っていた新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)にある工場は、手袋がどこへ売られるのか隠していなかった。
「手袋は外国に売るためのものだから良い仕事をしろと大っぴらに言っていた」と当時を振り返る。アウエルハンさんは、「再教育」施設の職員らに強制的に働かされていた。
中国政府が「職業訓練センター」と称する収容所に入れられたアウエルハンさんのようなイスラム教徒たちは、国内の工場に移動させられ、最低賃金をはるかに下回る賃金での労働を強いられている。
中国は、新疆はイスラム教徒が大部分を占めるウイグルなどの少数民族が住んでおり、教育センターはテロリズムと分離主義との戦いの一環だと主張している。また、強制労働については存在を否定している。
アウエルハンさんは、2か所の「再教育」施設で15か月過ごした後、新疆・伊寧(Yining)市にある工業団地内の手袋工場に移された。
国連(UN)の専門家パネルによると、新疆各地にある収容所にはイスラム教徒の少数民族が100万人以上いるという。被収容者は主にウイグル人だが、カザフ人やキルギス人、回族も含まれている。
カザフスタン最大の都市アルマトイ(Almaty)でAFPの取材に応じたアウエルハンさんは、カザフスタンの居住権を持っているが、家族に会うため中国を訪問した際に拘束され、再教育施設に入れられたと語った。
収容所の生活は悲惨で、トイレに2分以上入っていると電気棒で頭を殴られたという。