【3月27日 AFP】米ニューヨーク州ロックランド(Rockland)郡は26日、はしかの流行による緊急事態を宣言し、感染拡大対策として、ワクチンを接種していない未成年者による公共の場への外出を禁止した。

 郡当局は「公共の場」の定義を「10人以上が集まることを想定した」場所としており、これには公共交通機関も含まれる。禁止期間は27日午前0時から30日間だという。

 ニューヨーク市から北方40キロに位置するロックランド郡の人口は30万人超。同郡では2000年にはしかの根絶が正式に宣言されていたが、昨年10月からはしかが流行しており、これまでに153件の症例が報告されている。

 米国の複数の地域ではしかが流行している一因は、ワクチン接種に反対する動きにあるとされている。ロックランド郡では流行開始以降、大々的にワクチン接種キャンペーンを展開しているが、1~18歳の約27%が現在も接種していないため、今回大胆な措置が講じられたとみられる。

 郡当局によると、ワクチン接種に強硬に「抵抗」する住民もいる。感染例が最も多いのはユダヤ教原理主義者が多く住む地域だが、その住民の多くが宗教的理由からワクチン接種に反対している。

 米国では原則、通学時にワクチン接種が必要となるが、全50州のうちニューヨークを含む47州で宗教的理由などによる免除が認められている。(c)AFP