【3月26日 AFP】米国防総省は25日、カリフォルニア州から2発の迎撃ミサイルを発射し、太平洋のマーシャル諸島から発射された大陸間弾道ミサイル(ICBM)を撃ち落とす実験に成功したと発表した。

 ICBMの脅威を防ぐため、米国は地上配備型中間段階防衛(GMD)システムを開発。宇宙空間へ向かって迎撃体を発射し、飛来している標的を運動エネルギーによって破壊することが企図されている。

 米軍の発表によると、ICBMの実験は過去にも実施されたことがあるものの、迎撃ミサイルを相次いで発射する実験に成功したのは初めてだという。

 ICBMの発射台と想定された地点から6500キロ以上離れて発射された迎撃ミサイルの1発目は再突入体を標的とし、2発目は残骸部分を標的とした。

 米ミサイル防衛局(Missile Defense AgencyMDA)の局長サミュエル・グリーブス(Samuel Greaves)中将は、この実験を「重要な節目」と評し、「GMDはわれわれの国土防衛のために極めて重要だ。この実験で、真の脅威に対し、能力と信頼性を備えた抑止力を保持していることが証明された」と述べた。

 米国は、弾道ミサイルの迎撃技術の開発に数十年もの歳月と数十億ドルもの大金を費やすなど、高まる脅威に直面する中で対応を強化している。

 北朝鮮は、2017年に米本土全土に到達可能とされる「火星15(Hwasong 15)」の実験を行うなど、新たなICBM保有国となった。(c)AFP