【3月26日 AFP】サッカー親善大会の中国杯(2019 China Cup)は25日、3位決定戦が行われ、中国は0-1でウズベキスタンに敗れた。チームを率いるファビオ・カンナヴァーロ(Fabio Cannavaro)監督は、5日間で無得点のまま2敗を喫し、指揮官に就任したばかりですでに進退が危ぶまれている。

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 現役時代にイタリア代表としてW杯(World Cup)を制した実績を持つカンナヴァーロ監督は、10日前に中国の代表監督に招聘(しょうへい)されたばかり。しかし地元メディアは、今回の中国杯が、同じイタリア人のマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)前監督の後継者としてカンナヴァーロ氏が長期的な指揮官になるかどうかを見極める舞台になるのではないかと伝えていた。

 それが事実であれば、イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)やスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)などでプレーした伝説的DFで現在45歳のカンナヴァーロ監督は、失態を演じてしまったといえる。21日のタイ戦でも0-1で敗れていた中国は、観客がまばらな日中に南寧(Nanning)で行われたこの日の試合でも得点を挙げられず、試合終了の笛が鳴り響くとやじを浴びた。

 中国スーパーリーグ(1部)の広州恒大(Guangzhou Evergrande)も率いているカンナヴァーロ監督は、試合後に同国サッカー協会(CFA)とクラブ側と話し合いの場を持つことになるだろうと明かす一方で、「現在までにCFAは任命に関して明確な意思表示をしていない」と述べた。

「前にも話したが、代表チームを率いることはとてつもなく大きな挑戦だ。挑戦が大きければ大きいほど、それに対する情熱も膨らむ」「中国代表チームが変革期をたどっている中、われわれ全員が変化のペースと大きさに関してある程度の懸念を抱いている」

「(中国が)私を必要としているなら検討するつもりだが、誰が代表チームの指揮官にふさわしいかは、1日では決められない」「冷静になって話し合う必要がある。適切な協力体制が見いだせないのであれば、私は恒大(だけ)を指揮することになるだろう」

 恒大と代表チームのトップを兼任することは「難しい」と認めたカンナヴァーロ監督が率いる中国は、今回のふがいない敗戦によって4チームが出場する中国杯で最下位に沈んだ。中国は将来のW杯開催に加え、サッカーの強豪国になるという大きな野望を抱いている。(c)AFP/Peter STEBBINGS