【4月7日 CNS】中国の満6歳~17歳までの青少年・児童のうち、睡眠時間が8時間に満たない者が6割超に上ることが、中国睡眠研究会(Chinese Sleep Research Society)が発表した「2019年中国青少年児童睡眠指数白書」で明らかになった。

「白書」は青少年・児童6万5648人、保護者1916人の合計7万人近いデータを元にしている。

 白書では、中国の青少年と児童が全体的に睡眠不足であり、年齢により睡眠時間に顕著な差があるとしている。睡眠が8時間未満の者の比率は、調査対象となった青少年・児童の全年齢層で62.9%だった。満13~17歳では81.2%、満6~12歳では32.2%だった。

 また青少年・児童の56%が、朝起きられないという問題を抱えており、起床後に体が軽く気持ちに充実感がある者の比率はわずか18%に過ぎないことも明らかになった。

 青少年・児童の睡眠状況を、睡眠時間、睡眠障害、目覚めた後の状態の3つの基準で点数評価した結果、平均点は67.14点だった。

午後11時でも約9%が勉強中

 白書の分析によると、睡眠に影響を与えている原因のトップは学習面の圧力(67.3%)、その次がスマホやパソコンのやり過ぎ(27.1%)だった。

 月曜日から木曜日までの午後11時の時点で勉強している青少年・児童が、8.64%いることも分かった。

 良い睡眠を得られていない青少年・児童の41.9%が、寝る前にスマホやパソコンなどに触れていたが、逆に良い睡眠が得られている者の中ではその比率はわずか7.4%だった。

 地域別に見ると、電子ゲームをしている時間が最も長かったのは広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)の青少年・児童で、2時間超が31.3%、4時間超も12.3%いた。内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)では、午前0時以降に就寝する者が16.2%いた。朝最も早く起きるのは江蘇省(Jiangsu)で、午前5時前に起床する者が3.7%いた。

 白書では、睡眠の質が子どもの健康や成績に影響を及ぼすことも明らかになった。睡眠の質が悪い子どもの36.5%は、肥満症発症の恐れがある。一方、良質な睡眠が得られている子どもでは3.7%にとどまった。

 また睡眠の質が悪い子どもの40.5%が、神経衰弱やうつの恐れがあるのに対し、睡眠が良質な子どもではわずか1.4%だった。

 学業の面では、良質な睡眠を取れている子どものうち、学級で成績が上位5%に入る好成績の者が45.4%、6~20%の間に入っている者が34.1%という数値が出た。反対に、睡眠の質が悪い子どものうち、学級の中で成績下位25%の者は41.9%だった。(c)CNS/JCM/AFPBB News