【3月25日 AFP】タイで2014年のクーデター以降初めて行われた総選挙で、開票が90%以上終了した時点で、親軍事政権政党の国民国家の力(Phalang Pracharat)党が予想外の優勢に立っていることが、選挙管理委員会の24日夜の発表で明らかになった。民主派の敗北により、軍政が維持される見通しだ。

 今回の総選挙は、文民政権への円滑な移行のために軍部が制定した新法の下で実施され、投票率は64%と伸び悩んだ。選挙制度は軍事政権の有利になるように制定されたが、一方でアナリストらは、軍政に対する反発の高まりと、タクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相派政党であるタイ貢献党(Pheu Thai Party)の根強い人気に鑑み、軍事政権の勝利は予想していなかった。

 だが選管の発表によると、開票93%の時点で、軍事政権を率いるプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の続投を目指す国民国家の力党が760万以上の票を獲得し、タイ貢献党の得票数を約50万票上回った。

 選管は、下院での各党の議席獲得数などの詳細な選挙結果の発表を25日に延期する予想外の措置を取った。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI / Dene-Hern CHEN