【3月24日 AFP】(更新)西アフリカ・マリ中部モプティ(Mopti)州で23日、狩猟民ドゴン(Dogon)人が牧畜民フラニ(Fulani)人の村を襲撃し、女性と子どもを含む130人以上の住民を殺害した。国連(UN)が明らかにした。

 襲撃されたのは同州バンカス(Bankass)圏のオゴサグ(Ogossagou)村。アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長の報道官は声明で、「女性と子どもを含む民間人、少なくとも134人が殺害されたとの報に接し、事務総長は衝撃を受け、憤っている」と述べ、マリ当局に「速やかに捜査して犯罪実行者を裁判にかける」よう呼び掛けた。

 国連事務総長の報道官は、マリで展開中の国連平和維持活動(PKO)、国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)が、さらなる襲撃を抑止するための航空支援と、負傷者の搬送支援を実施したことも明らかにした。

 国連の発表に先立ち、隣接するウオンコロ(Ouenkoro)の町長は「最新の死者数は115人だ」「これは伝統的な狩猟民族のドゴン人によるフラニ人の虐殺だ」と述べていた。

 マリの治安関係者は、フラニ人は銃やなたで殺害されたと述べるとともに、地元住民の助けを得て同日午後に現場に到着したマリ軍は死者の数を少なくとも105人としていると明らかにしていた。

 複数の関係者によると、襲撃は同日の夜明けごろ、隣国ブルキナファソとの国境に近いオゴサグ村で発生した。この地域では頻繁に民族間の暴力が発生している。

 個別にAFPの取材に応じた2人の目撃者は、ドゴン人は村にあったほぼ全ての住居を焼き払ったと語った。

 事件は、国連安全保障理事会(UN Security Council)の代表団がイスラム過激派の脅威を調べるためマリ国内のサヘル(Sahel)地域を訪問中に発生した。

 MINUSMAはツイッター(Twitter)で「民間人に対するこのような攻撃を強く非難する」と表明し、マリ当局に捜査するよう呼び掛けた。

 国連によると、マリを訪問中の安保理理事国の大使らは23日、マリのスメイル・ブベイ・マイガ(Soumeylou Boubeye Maiga)首相と会談し、同国中部の情勢について協議した。