【3月24日 AFP】フランス各地で23日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の政策に抗議する「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」運動のデモが行われた。デモは19週目。前週16日のデモの最中にパリで発生した暴動や略奪行為の再発を防ぐため、パリでは約6000人の警察官が動員されて警戒に当たった。

 クリストフ・カスタネール(Christophe Castaner)内相によると全土で4万人以上、首都パリで約5000人が参加した。一方、デモ主催者側は全土で12万7200人以上が参加したとしている。

 パリでは23日正午(日本時間同日午後8時)すぎ、マクロン大統領に「退陣しろ!」と要求する横断幕を掲げた数百人のデモ参加者が、市の南部から同市北部にあるモンマルトル(Montmartre)のサクレクール寺院(Sacre-Coeur basilique)の方に向けて行進を始めた。

 大勢の警察官がパリ中心部やその他の都市で警戒に当たった。パリでは午後に小競り合いが発生して警察が催涙弾を発射したもののデモはおおむね平穏に行われ、前週のデモの最中に発生したような激しい暴動や略奪行為は起きなかった。

 当局は暴力を一切容認しない姿勢を取り、前週のデモで黒い服を着た数百人が暴れ回ったシャンゼリゼ(Champs-Elysees)通りを含むパリ西部の広い地域にデモ参加者が立ち入ることを初めて禁じた。

 警察はシャンゼリゼ通りの西端にある凱旋(がいせん)門(Arc de Triomphe)の周囲を装甲車や放水車を含む数十台の警察車両で囲んだほか、道行く人々の持ち物検査や、板が打ち付けられた商店のパトロールを行った。

 仏南部ニース(Nice)では警察がデモ隊を排除しようとした際に75歳の女性が転倒して頭を打ち、重傷を負った。

 カスタネール内相によると全土で172人が拘束され、数百人が取り調べを受けたり罰金を科されたりした。うちパリでは少なくとも70人が拘束され、約50人が罰金を科された。政府は先週、デモ禁止地域でデモをした人に科す罰金の金額を38ユーロ(約4700円)から135ユーロ(約1万6800円)に上げていた。(c)AFP/Joseph Schmid