【3月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が21日に米国はイスラエルのゴラン高原(Golan Heights)併合を認めるべきだと表明したことを受けて、シリアとその同盟国・友好国は22日、国際法違反だと非難した。

 トランプ氏は21日、イスラエルが1967年の第3次中東戦争(Six-Day War)でシリアから奪い併合したゴラン高原について、米政府がイスラエルの主権を認める時が来たとツイッター(Twitter)に投稿した。国際社会はイスラエルによるゴラン高原の併合を認めていない。

 トランプ大統領のツイートは、ゴラン高原を占領された領土とし、その未来は包括的和平に向けたシリアとの交渉の中で協議されるとする、国連安全保障理事会(UN Security Council)の決議ならびに半世紀以上に及ぶ米外交政策から決別するものだ。トランプ氏のツイートにイスラエルは歓喜したが、地域のイスラエル以外の国やロシア、トルコなどは怒りを表明した。

 ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は「このような訴えは、すでに緊迫している中東情勢を大きく不安定化するものだ」と述べた。

 シリア外務省筋は国営シリア・アラブ通信(SANA)に、「占領されているシリアのゴラン高地についての米国の立場は、米国が国際的な正当性を軽視するとともに国際法にもあからさまに違反していることを明白に示すものだ」と述べた。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は「われわれはゴラン高原占領の正当化を絶対に認めない」と言明した。

 イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はツイッターに、「人種差別主義イスラエルに対し、彼のものではないものを与えようとし続けている@realDonaldTrump(トランプ氏のツイッター公式アカウント)に衝撃を受けた」と投稿した。

 フランスも非難の合唱に加わり、ゴラン高原は「1967年からイスラエルに占領されている」のであり、フランスはイスラエルによる併合を認めていないと表明した。(c)AFP